サンダルって暖かい季節に履くもの。そんなイメージだけれど、気楽なサンダルは通年履いたっていいじゃない。寒い日だって足を暖かく守ってくれるサンダルなら心配ご無用。
2023年、年が変わって早々に秋冬にお届けしたい新作が登場です。旧来、台所や作業場であった土間で重宝したような履物を連想して、モデル名は「DMA(土間)」。
価格:¥11,000-(税込)、色:ブラック、サイズ:S(23-24cm) / M(24-25cm) / L(25-26cm) / LL(26-27cm) ※ユニセックスのサイズ展開です
今回のDMAについて、HEPディレクターの川東宗時さんにインタビュー。製品化の背景やその機能性やデザインの魅力、おすすめのコーデについて伺いました。
ーー今回の新作「DMA」を製品化した経緯を聞かせてください。
DMAを作ろうと思った理由は大きく二つあります。一つは、ヘップサンダルのルーツである“ツッカケ”は年中履いて使うもの。ですが、これまでHEPは主に春夏に重宝いただいていて、秋冬のイメージが弱いのが現実問題でした。季節問わずサッとはけて便利な履き物であることを、もっとお客さんに知ってほしい。そう思い、寒い日に履けるサンダルをつくりました。
もう一つは、ユーザーさんから「秋冬のサンダルってないんですか」って声をいただいていたことも原動力となり、DMAの製品化に至りました。
ーーつまり、寒い日にも履けるサンダルってことですね。
そうですね。コンセプトである「気楽さ」を大切にしています。冬の履き物って、脱ぎ履きするのが大変なものが多い。その中でも限りなく気軽に脱ぎ履きできるものがぼくたちの魅力だと思うので。
ーー秋冬仕様となると、機能性ってどうなんでしょう?
一番のポイントは、甲内側の素材が吸湿発熱し、保温性に優れていること。さらに消臭効果もあり、実生活でかなりうれしい機能なんです。
これは繊維自身が体の汗=湿気を取り込み、発熱と放湿を繰り返す仕組みになっていて。ムレ感のないドライな暖かさが魅力です。さらに酸性臭やアルカリ臭を中和してくれる働きもあり消臭効果も。つま先部分が覆われているので、当然風も入ってこないので暖かく快適に足の中が保たれます。
ーーそもそも、つま先が覆われていても「ヘップサンダル」って言いますか?
このようなスタイルのヘップサンダルは元々ありました。いつも過去のヘップサンダルのデザインや、協力している工場さんが昔手掛けていたサンダルを見て、デザインを考えます。過去のデザインを自分たちなりに再解釈して、構築していくアプローチです。
ーーなるほど。昔から寒いシーズン向けのヘップサンダルはあったのでしょうか?
ありましたね。ぼくらの業界では「防寒ヘップ」と呼んで親しまれています。内側が微起毛の素材だったり、前が覆われていたりと、ヘップサンダルは仕様がシンプルだからこそ、そこに創意工夫が垣間見えるデザインになっています。
ーーそうなんですね!では今回のサンダルで、ここがすごいってポイントはズバリ?
履き心地ですね。アウトソールに使っている材料は軽くて屈曲性がよく、足裏の接地面は立体的な構造になっています。甲外側と中敷きには、モデル「HTL」と同じ生地であるスエード調の人工皮革を使っていて、肌当たりも抜群で品のある仕上がりです。
ーー製品化に当たって苦労した部分は?
実は、デビュー時からこのモデルは作りたくて…サンプルを何度か作っては、フォルムや仕様に納得がいかなくて、何度か諦めていました。
とくにつま先部分のアールがうまく出せず、理想の形にするのに苦戦しました。何度かパターンを見直して、何度も工場の方にサンプルを作っていただきました。
ーーでも再度挑戦できた理由はなんでしょうか?
デビュー当時にはなかった知見や経験値が貯まったことで、自分たちが納得するデザインや機能性が実現しました。いろんな工場の方やHEPと関わる人たちと出会うことでできたアイテムです。また、ユーザーさんからの秋冬向けのヘップサンダルを作ってほしいという声が後押しになり、防寒ヘップにもう一度チャレンジできました。とても思い入れがあります。
ーー先ほど「HEPと関わる人たち」とおっしゃってました。一つのサンダルができるまでに、どのくらいの人たちが携わるのでしょうか?
作りたいイメージをデザイナーであるSUNAの長砂さんと共有して、具体的にデザインしてもらいます。それをもとにパタンナーさんにラインを作ってもらい、サンプル作りを開始。生地や色、アウトソールも同時に決めます。現在、製造は分業制で大きく4〜5つの工程があり、ミシン作業など細かい仕事も含めると、数十人の方が手を動かしています。
ーー工場の方々とも相談して作っているのですね。
工場の方たちと仕様について意見交換することが多いです。高齢の方も多いので、例えばミシンの失敗が減らせるように、どうすれば良いかなど、素材の特性を理解してデザインするよう心がけるようになりました。デザインで譲れない部分もあるので、けっこう膝を突き合わせて話し合います。デザインだけを優先せず、製造効率がよく、失敗が減らせるように配慮しています。
そして自分も製造の一端を担っています。ものづくりは、注文したらなんでも出てくるような世界ではないので。
ーーここまで製品の話を聞いて、着用シーンをイメージしていたのですが……DMAにぴったりのコーデってなんでしょう?
ムード的に“ゆるい感じ”の服がいいかなと思います。あまりキメすぎた格好っていうよりもゆるく。自宅で過ごしていたリラックスウェアとか。裾が絞られているナイロンパンツやリブのスウェットなんかと合わせると足元がアクセントになります。
ーー黒なので、服を選ばずなんでも合いそうです。
そうですね。通勤後のデスクの下や玄関先の一足としても万能かと。まさしく土間でさっと履くような。
あと個人的にはぜひ一度、裸足で履いてほしいです。これがとっても気持ちよくって。コーデ以上に、履き心地をまず実感していただけたらと思います。例えば銭湯に行く時に、行きは靴下を履いて、帰りは近所だし裸足で履くみたいなことができる。これはスニーカーにできなくて、サンダルにできることなんです。
ーーまさに銭湯で大活躍ってことですね。吸湿発熱機能のある裏地なので、帰宅時もポカポカで蒸れないのもうれしいです。
DMAは秋冬と言わず春先も全然履けますし、スエード調の素材で品良くみせることができるので、コーデ次第でモードな雰囲気にもなります。パジャマルックでもちぐはぐしません。
ーーそんなコーデの幅も広いDMAを履いて、どこに行きたいですか?
そうですねえ……商店街の居酒屋です。大阪だと中崎町とか天満とか、近所にあるそういうエリア笑。ちょっとした遠出でも、踵にバンドがあってホールド感がありますし、何より履いていて疲れにくいんです。
ーー寒いこの時期でも、どこまでも履いていけちゃいそうです。ありがとうございました!
取り扱いは、HEP公式通販にて。数量限定ですでに発売中なので、気になる方は早めにチェックを。
▼「DMA」商品ページ
★サイズ選びのポイント
HEPサイズ選びは、ジャストサイズの選択が吉。こちらのDMAも、普段履いているスニーカーのサイズと同じでOKです。ベルトがあるため、最初は少しピッタリとした履き心地になるかもしれません。でも履いていくうちに程よく足に馴染み、ゆとりがうまれます。 ただ、かなり厚手のソックスをメインに合わせたいとか、すごく甲高の方は大きめサイズを選択してもいいかもしれません。ひとまずは、ジャストサイズを念頭に。 サイズ選びについて、さらに詳しい解説は、こちらの記事にて紹介しています。
▼もう迷わない。HEPサンダルのサイズ選びの教科書 【モデル「DRV」Ver.】
▼HEP(ヘップ)
奈良で1952 年創業の川東履物商店が立ち上げた新ブランド。
さっと履いて気楽に出かけられ、昭和の時代から愛され続けてきたヘップサンダルを、様々な角度からアップデートしていきます。
あらゆる場所へ気楽に一歩を踏み出せるように。
公式通販「HEP SHOP ONLINE」 :https://hep-sandal.stores.jp/
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